夏への扉

ロバート・A・ハインライン著の時間旅行をテーマにした痛快SF小説
主人公のダンは文化女中器(正しい意味でのメイドロボ)を発明した天才技術者であり、
猫のことをよくわかっている猫好き。
親友マイルズと共に立ち上げた会社で、雇った魅力的な女性ベルと婚約し
人生は上々だと思っていた矢先、ベルとマイルズにだまされて
会社も発明も取り上げられてしまい、路頭に迷った挙句
相棒の猫である護民官ペトロニウス(ピート)と共に場末のバーで飲んだくれる。


といった感じで始まるこの小説、この後世を儚んでコールドスリープ
→考え直してベル&マイルズと対決→返り討ちにあって結局コールドスリープ
→未来では過去の天才技術者もただの未経験工員
といった転落ストーリーが展開するのだけれども、そこはさすが天才技術者。
地道ながらも努力を重ね、運命をひっくりかえすべく奮闘を始めます。


ここから先はもう読んでもらうしかないんですが、
とにかく映画化していないことが不思議なくらい良くできていて
スカッとさわやかなカタルシスのあるお話です。
ご都合主義的な展開がそこそこあるものの、
それを気にさせない伏線の張り方と物語の流れ。
キャラクターの魅力も素晴らしく、
舞台である近未来と未来(1970年代と2000年代!)の描写も細かくて面白い。
また、勇気ある護民官ピートの活躍と数々の猫語が
猫好きにはたまらないと思うので、是非ご一読をお勧めする。


あー誰か本当に映画化してくれないかなあ。
監督はロバートゼメキスかなやっぱり(笑